2013/04/02
ここではミャンマー語、ラオス語、クメール語(カンボジア語)のフォントについて紹介します。Windows8から、はじめてミャンマー語フォントもプレインストールされるようになり便利になりました。ただプレインストールフォントがいつでもいいフォントとは限りません。そこで、外部から入手できるフォントを紹介します。
条件として無料のフォントであること。インストール時にパソコンに影響を与えないことを選ぶ基準にしました。(インストールが終わらないものもありましたので)
なお赤い色の字のフォント名は、KakiThaiUCで標準フォントとしたフォントです。2つあるものは、順に有無をチェックして自動設定します。
標準フォントは「設定」画面の「近隣3国」タグの中で自由に変えられますので、いくつかフォントを入れて好みのフォントを各言語の標準フォントに指定して下さい。言語を切り替えた時、そのフォントが主フォントになります。
Windows VistaにもWindows 7にもミャンマー語フォントは入っていませんでしたが、Windows8から"Myanmar Text"というフォントが含まれるようになりました。しかしながら、このフォントのフォントファイルをWindows VistaやWindows 7にコピーして使おうとするといくつか問題があることが分かりました。例えば「ミンガラーバー」とミャンマー語であいさつ文も正しく表示できません。
OSに左右されず無料で質の高いミャンマー語のフォントと言えば、SILの公開しているPadauk Bookがあります。VistaやWindows 7ユーザの方は、このフォントをダウンロードすることをおすすめします。
※フォント名:
※ダウンロードサイト: Summer Institute of Linguistics, Inc (SILと呼びます)
リンクページの表の中の「Padauk Font」をクリックするとダウンロードページに飛びます。ダウンロードファイルは「Padauk Font Windows Installer("Padauk-2.8.exe")」か「Padauk Font zip File」がいいでしょう。インストールするとPadaukとPadauk Bookも入ります。
※推奨理由:
"Padauk Book"は、Unicodeで定義されているミャンマー語の文字や記号のグリフ(文字の形)がすべてある。文字も綺麗。
※フォント名:
※ダウンロードサイト:
ミャンマー語のUnicodeフォントをまとめたサイト※コメント:
共にユニコードフォントですが、グリフがない文字も結構ある。下の図はMyanmar3で描画したミャンマー文字(ビルマ文字)。縦長の四角はグリフのない文字や記号。あまり使わない文字とはいえユニコードで定められているのにグリフがないものが結構あります。
Windows Vistaには"DokChampa"というラオス語のフォントが入っていますがWindows 7やWindows 8ではさらに"Lao UI"というフォントが含まれるようになりました。こちらのフォントのほうが文字の高さが適正化されていて良いように思います。
その他ではWindowsには入っていませんが、見やすいユニコードフォントに"Saysettha OT"が無料で入手できます。
※フォント名:
※ダウンロードサイト:FONT 2U (Saysettha OTがダウンロードできる)
リンクページの右上の「ダウンロード」ボタンを押すと"saysettha_ot.zip"をダウンロードできます。一旦どこかのフォルダに解凍し、"saysettha_ot.ttf"ファイルだけをWindowsのフォントフォルダーにコピーするだけでインストールできます。
※推奨理由:
文字のバランスは"Saysettha OT"の方がいいですが、"DokChampa"はWindow Vistaにも7にも、あらかじめ含まれている便利さは大きい。下の図はWindows Vista内のDokChampaフォント。
Windows Vistaや7には"Daunpenh"というクメール語のフォントが入っているのですが文字が極端に小さい。Windows 7やWindows 8では"Khmer UI"というフォントが含まれていますが、正直、文字が平べったく美しくありませんが、まずは文字入力は確認できる水準だと思います。なお"Windows 7,8にも入っているMool Boran"はクメール語フォントですが装飾書体なのであまり使えそうにありません。
東京外国語大学の上田広美さんが紹介されているのは「Khmer Software Initiative」の"Khmer Unicode"ですが、現在は"Khmer OS"とフォントの名称が変わっています。今回はこれの一つ"Khmer OS Batambang"を標準にしました。
また同様にWindowsには入っていませんが、SILが無料で公開しているユニコードフォントに"Khmer Busra"があり、いい書体ですので、ますのでこれも検討対象に。
※フォント名:
※ダウンロード1:Khmer Software Initiative
○フォント: "Khmer OS Battambang"
http://www.khmeros.info/drupal612/en/
○方法:
リンクページの最上段の「Prepare your computer for Unicode」をクリックすると、ダウンロードページが開かれ、"KhmerUnicode2.0.1.zip"を保存するか聞いてくるので、どこかのフォルダに保存します。このzipファイルを解凍するとインストーラープログラム"KhmerUnicode2.0.1.exe"が出てきます。これをダブルクリックして起動し、2回Nextボタンを押すだけでインストールできます。
○フォントリスト:
※推奨理由:
Khmer OSシリーズはKhmer Unicodeをベースに標準的字体になっているのでしょう。その中で"Khmer OS Battambang"はスマートで力強く、美しい書体だと思います。
※ダウンロード2:Summer Institute of Linguistics, Inc (SILと呼びます)
○フォント: "Khmer Busra"
http://scripts.sil.org/cms/scripts/page.php?cat_id=FontDownloads
○方法:
リンクページの表の中の「the Mondulkiri Font Family」をクリックするとダウンロードページに飛びます。ダウンロードファイルは"Mondulkiri-5.300.zip"(フォントファイルは17個)と"MondulkiriBold-5.300.zip"(Boldはフォントファイルが1つ)両方入れたほうがいいでしょう。解凍後、拡張子がttfのフォントファイルをWindowsのFontsフォルダーにコピーするだけでインストール完了。インストールすると以下のフォントが入ります。
○フォントリスト:
※推奨理由:
SILによれば"Khmer Busra"が、標準テキストに最も良いフォントだそうです。たしかにバランスもよく、カンボジア語の学習テキスト(書籍)に出てくる文字に近い。"Khmer Busra Bunong"のほうが私は好きかな。
※ダウンロードサイト:
名称: U+fonts :
http://www.wazu.jp/gallery/Fonts_Khmer.html名称: クメールユニコードフォントをまとめてダウンロードできるサイト
http://www.sbbic.org/tag/download-khmer-unicode-fonts/ 方法: 上のサイトの"Khmer Unicode Fonts All-in-One"をクリックし、
"all-khmer-Unicode-fonts.zip"をダウンロードし、解凍します。
※コメント:
インストール前にフォントの書体を確認できるPDFがあるので安心。ただフォントの個数が多いのでフォント名称の「K」の名の付くフォントがクメールフォントだらけになるのは覚悟が必要。フォントの多さが気になる人はインストールしないほうが無難。