2012/05/20
ここでは本ソフトで利用可能な発音記号フォントについてご説明します。なお書籍では国際音声記号(IPA)という名称を用いているものも多いですが、今でもIPA以外の記号を発音記号を表す記号として用いている言語もあることから、より一般的な意味で「発音記号」という名称を用いています。
まずWindowsXpについて言いますと、発音記号として十分使えるフォントは標準ではWindowsXpには入っていません。ですがまだWindowsXp利用者はかなり多くおられますので、WindowsXp利用者でも容易に入手可能なフォントを選ぼうと思いました。
一方、WindowsVistaやWindows 7に関して言いますと、ユニコードフォントがかなり充実して発音記号フォントとして使えるフォントがいくつもあります。そのひとつが"Segoe UI"フォントです。このフォントは多少丸っこい形をしていますが、欧米のWindowsのシステムフォントとして利用されています。
おなじみの"Times New Roman"や"Arial"もWindos Xpのものはバージョンが古くグリフ(文字や記号の形の定義)が十分でなく使えませんが、Windows Vistaからグリフが充実しかなり実用的に発音記号として使えます。それでも"Segoe UI"のほうがグリフは多く定義されています。例えば"Times New Roman"や"Arial"では下部連結線や上付きのI、斜め線の矢印などはありませんが"Segoe UI"にはあります。
そこでWindows Xpユーザーの方でもなんとかこの"Segoe UI"を無料で入手できないかと調べたところ、「Windows XP 用 Windows Live Essentials」をダウンロードしインストールすると"Segoe UI"がインストールされることが分かりました。このパッケージソフトが不要な方は一旦インストールした後、アンインストールするとソフトはなくなりますが、"Segoe UI"フォントは消えないのでフォントだけ入手も可能です。
もちろんWindows VistaやWindows 7もお持ちで、Windows Xpで本ソフトを使う場合、上のクラスのOSから必要なフォントをコピーしてWindows Xpにインストールして使うことも可能です。そのような場合は、お好きなフォントをコピーしてお使い下さい。
そのようなわけで、より多くの方が使え、発音記号用のグリフがより多い"Segoe UI"を発音記号の標準フォントとして定めました。
もちろん発音記号フォントを決める場合、グリフの充実度合いより、文字や記号のデザインのほうが重視される場合もあると思います。そのような場合は、発音記号フォントをいずれかに変更し、対象となる言語で使われる発音記号のグリフが十分あるか確認してからフォントを決めて下さい。グリフがない場合、白い四角になって表示されます。
あります。もともとWindowsでは発音記号のフォント実装には不熱心でした。それでも多くの言語分野での需要が多かったので、ユニコードの発音記号フォントを自ら作り公開している有志や機関がありました。
ここではSIL(Summer Institute of Linguistics)のフリーフォントをご紹介します。
※補足:これらのフォントでは例えば、アポストロフィーなどの記号の形状が多くの語学辞典で用いられている形状であったり、文字や記号のバランスも優れていると思います。